AlmaLinux8とAlamaLinux9の相違

AlmaLinux8とAlamaLinux9の相違について、機能・パッケージ・サポート・セキュリティなどの観点からまとめます。


✅ 基本情報の比較

項目AlmaLinux 8AlmaLinux 9
ベースRHEL 8RHEL 9
初回リリース2021年3月2022年5月
カーネルバージョン4.18 系5.14 系
サポート期限2030年3月2032年5月
systemd バージョン239249
GCC バージョン811

🔄 主な相違点

1. カーネルとパフォーマンス

  • AlmaLinux 8: Linux Kernel 4.18(RHEL8ベース)
  • AlmaLinux 9: Linux Kernel 5.14(RHEL9ベース)
    • より新しいハードウェアサポート
    • I/O 性能・セキュリティ強化(BPFやcgroup v2の改善)

2. ソフトウェアとツールチェイン

  • AlmaLinux 9では次のような最新ツールが使用可能:
    • GCC 11、LLVM 13
    • Python 3.9(Python 2削除)
    • OpenSSL 3
    • PHP 8.0 / Ruby 3.0 / Perl 5.32 / Git 2.31

AlmaLinux 8 では古めのバージョン(例:PHP 7.2~7.4)が標準。EOLソフトも多く、更新に注意が必要。

AlmaLinux8 で PHP-8.3 をインストール


3. セキュリティと暗号化

  • AlmaLinux 9 の強化点:
    • OpenSSL 3 対応:より柔軟な暗号ポリシー設定
    • system-wide crypto policy の改善
    • SELinux の改善とより詳細な監査ログ

4. 管理と自動化

  • AlmaLinux 9:
    • Cockpit UI:サーバー管理がより直感的
    • systemd-resolved を標準で使用
    • chronyd による時刻同期がデフォルト
    • DNF 4(高速化とメモリ効率改善)

5. コンテナと仮想化対応

  • AlmaLinux 9:
    • Podman 3.4 → より多機能でDocker代替として実用的
    • QEMU/KVMの新バージョン
    • cgroups v2 を標準採用

6. ファイルシステムとストレージ

  • AlmaLinux 9: LVM、XFS、Btrfs、Stratis などに対してより強化された管理機能あり
  • NFS や iSCSI のサポートも改善

🚫 互換性に注意すべき点

項目説明
Python 2AlmaLinux 9 では完全に削除。Python 2ベースのツールは動かない。
ifconfig, netstat非推奨。代わりに ip, ss を使用。
init.d スクリプト非推奨。完全に systemd に移行している。